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嵐山光三郎
2010年09月22日

47「ビターチョコレートは、喉をくすぐり、胃のなかがチョコレートの社交界となった。」
    

   『とっておきの銀座』
嵐山光三郎/文春文庫

落語家や役者、物書きなどが月1回集まって開く「東京やなぎ句会」という俳句の会があって、その日出席したメンバーの作った句はむろんのこと、にぎやかで笑声の絶えない会の様子が銀座名店会の出す雑誌「銀座百点」に連載されていました(いまもつづいている?)。

会の名称の「やなぎ」は銀座8丁の街路樹として植えられた柳の木にちなんだもの。 ちなみに「銀ブラ」という言葉が流行りはじめたのは大正4(1915)年頃からだといわれています。

冒頭に引用した『とっておきの銀座』は2年余にわたって「銀座百点」に連載されたものです。

書き手の嵐山さんが小学生のころ母親にくっついて歩いた銀座、大学生になってようやくひとりで行けるようになりヴァン(VAN)のコートをはおってブラブラ歩いた銀座、就職して初任給をはたいて買い物をしガールフレンドと一緒にオムライスを食べた銀座、そして40歳を過ぎていささか金廻りがよくなって遊ぶようになった夜の銀座。

そしていまは、友人や先輩と連れ立って歩き、食事をし買い物をしお茶を楽しむ銀座です。

「お昼ごはんだけで百店以上の店へ行」ったと書いていますが『とっておきの銀座』には和食・洋食・中華といろとりどりの名店が紹介されています。

本道のうなぎではなく鯛茶漬けをきまって注文する「竹葉亭」、歌舞伎の役者衆がごひいきのシチューの「銀の塔」、昼にしか出されない天丼ににんまりしたくなる天ぷらの「天一」、イタリア料理の「サバッティーニ」、ビーフシチューやオムライスが人気の「資生堂パーラー」、中2階がイタリア料理で2階がフランス料理、3階は日本料理と懐石で、4階は中華の揚州料理と多彩に展開している三笠会館、などなど。

食べるだけではなく、作家池波正太郎が愛用していたという紺の角袖のコート18万9千円を買い、桐の一枚板の焼き下駄4725円に鹿革なめしの鼻緒5250円を合わせて買い、竹軸固定式のガラスペンを伊東屋で入手し、Yシャツの残り切れを使ったLサイズのトランクス2835円を「ナカヤ」で2枚買い、といったぐあいに買い物にも励みます。

この銀座案内は2007年6月に単行本化され文庫本の出版は2009年12月です。

銀座は日ごとにといってよいほど街の顔を変えていますが、筆者が「ベルギー仕込みのトリュフ・シャンパン」を楽しんだ「デルレイ」はいまも店を開いているでしょうか。


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