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【悪口雑言・けんか・ひやかしのための引用辞典】■スイカ頭■ 2000/08/25

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  私の息子たちは、私の頭脳(というより脳味噌)のことを、西瓜頭と呼ぶ。
  小学生の息子はこんなふうに。
    「お母さん、父母会の時間を間違えないでよ。スイカアタマなんだから」
  中学生の息子は、机と本箱の間を往復する私を、同情にたえないという眼でみながら
  「いったい何回、百科事典を引くんだよ。馬鹿は忙しいね、ウォーターメロンヘッド
  でよく小説なんか書けるね。・・・・・(略)・・・・・」
  要するに西瓜頭とは、アホ、ドジのことである。(以下略)
                『おんなコドモの風景』干刈あがた/文芸春秋より
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 「アホ、ドジ」の意味をこめてなぜ「スイカアタマ」と呼ばれるようになったか、理由をつぎのように書いてある。この年の夏、暑い日がつづくのに、忙しくて作者は子どもたちをどこへも遊びにつれていってやれなかった。それで、高いけれどもせめて西瓜ぐらいはと、ときどき西瓜をみやげに買って帰った。西瓜は駅への行き帰りに使っていた自転車の買い物カゴに入れて運んでいた。ところがある日、西瓜ではなくアイスクリームを買い溶けないうちにと、タクシーで帰った。二日後に気がついて自転車を置いてあった場所に行ってみたら、なくなっていた。しかたなく、その日は買った西瓜をぶら下げて帰るはめになり、途中立ち寄った肉屋でお金を支払うとき、注意がそれて西瓜を落として割ってしまった、のである。ヒビ割れた西瓜をぶら下げて帰宅したが、すっかり水気を失った西瓜はスカスカになっていて、その日いらい、西瓜頭と呼ばれるようになった、と。

スイカを買うときは、甘くなっているかいないか、ポンポンと叩いてみる。パンパンと張った音がしたり、ボコボコと情けない音がしたりする。もっともらしく耳を傾けても、熟れているんだか熟れていないんだか、実はよくわからないときのほうが多い。最近は糖度を表示したラベルが張ってあったりするから、ラベル頼みのほうが確実だ。
それにしても、「スイカアタマ」は気分が出ているネ。ポコンポコンなんて、頼りない音がしそうじゃない。
アメリカ南部の州では2、30年前まで、西瓜‘ワラメロン’は上流の白人の口にすべきではない黒人の果物、として扱かわれていたと何かで読んだ記憶がある。アメリカで出版された「俗語辞典」には‘watermelon head ’の項に「都会の洗練されたやり方に慣れていない田舎者」と説明してある。
同じ「ウォーターメロン・ヘッド」でも日米ではだいぶ意味が違うようだ。

   
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