スペインのチョコレートメーカー、「チョコヴィック社」は、世界で唯一、ファミリーで全株式
を所有しているメーカーである。
現在、世界の大手チョコレート原料メーカーはバリー・カレボー社、クラフト・スシャール・グループ、ネッスル・グループがあるが、社名からも読めるように、ファミリー所有ではない。チョコヴィックの親会社はネーダランド社という。ココアバターとココアのメーカーである。原料チョコレートはチョコヴィック社で製造しているが、その強みはその足の軽さ。
世界で初めて、ヴァラエタル・チョコレート(純原産種のカカオにこだわったチョコレート、チョコヴィックのホームページ参照)を指向したのは、ミシュランの三つ星レストラン「エル・ブヱ」の天才シェフ、フェランとアルベルトの兄弟だった。彼らのアイディアをチョコヴィック社が足の軽さを生かして、即断即決し、1996年、「オリヘン・ウニコ」と名づけて発売した。
このコンセプトの素晴しさは、ネッスル、リンツ、ヴァローナなどの各社が追従して、瞬く間に同じようなコンセプトの製品を発売したことでも証明されている。
数多ある同じようなチョコレートの中でも、わが「オリヘン・ウニコ」のカレは、昨年のノーベル授賞式の晩餐会でデザートに供され、先駆者の栄誉を輝かせた。
スカンジナビア航空も「オリヘン・ウニコ」のカレを機上サービスで乗客に配っている。
スカンジナビア航空は当初、カレに自社のSASのロゴを入れたがったが、チョコヴィック社はこれを拒絶、「オリヘン・ウニコ」のオリジナル・デザインにこだわったと伝えられている。
チョコレートに含まれるポリフェノールがいま、健康にいいと評判である。ポリフェノールは
南米産、西インド諸島原産のカカオ・ビーンズに多量に含まれている。「オリヘン・ウニコ」が
原生種だけで作ったチョコレートなのだ。さらに付言すれば、「オリヘン・ウニコ」はカカオ分が71%でミルクは入っていない。苦い大人の味である。フランスにはカカオ分が82%のものがあるが、苦すぎる。
チョコヴィックのホームページ
http://www.chocovic.es
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